【香港市民との対話予定をドタキャンした中国政府】
香港で市街地占拠を続ける学生・民主派との対話に中国政府が臨むということで、学生も柔軟路線を採用しようとしていた。ところが9日、中国政府は突然、話し合いを先送りするという姿勢に出ている。

理由は「学生が対話の条件を拡大解釈したため建設的対話ができない」からだと…。

えっ? いい大人が…。条件付きでないと学生と対話もできないのか? 絶句。
限定された事項に関して調整をする外交交渉ではない。香港で問題となっている事は同じ国民同士の民主主義と言論の自由、自由な普通選挙の可否を巡る対話だ。あらかじめ「解釈」を決めてするものなのか? そもそも解釈とは何か? 少しでも議論をしたことがある人なら、相手が一方的に主張する「解釈」をあらかじめ受け入れる事自体が、言論の自由の制限になることを知っている。
対話を拒否する理由を、「相手の思考の自由」のせいにする。考える自由や討議の自由さえハナから認めていない。

【共産党の習性】
共産党はいつもこれだ。党員や党へのイエスマンで固めないと話し合いもできない。異論が出ると、大慌てで野次をとばしたり、徒党を組んで恫喝を加えたり、無視して強硬採決に進んだりする。そのやり方は与党一党独裁の場合と全く一緒。
国政選挙ではハナから勝ち目がないから、自民党と対決する勢力が落選するように対立候補をたてて、与党のご機嫌をとって、自党勢力の温存をはかることに集中している。
このあたりの事情は、政党動向をウオッチしている人には常識だが、中には詳細に分析している人もいるから面白い→日本の場合「またしても自公候補をアシストした共産党」 http://takuki.com/dsk/015.htm
マルクス主義政党は、良識ある一般市民にとっては、別名、「万年裏切り党」でもある。

【毒を飲まされた子供の親を監獄に入れてしまう「全人民の党」】
いったん共産党が支配すると、脱出するのには、たぶん半世紀以上くらいかかるから、香港市民の短期的な前途はあまり明るくないが、中国政府をスターリン主義と捉えれば、市民はなんら悲観する必要もない。闘う相手に不足なし、しかも、いつかは必ず崩壊する。
実際、「全人民の党」のもとで野獣資本主義がまかり通り、汚職と不正・腐敗、産業公害・環境破壊が大規模に蔓延し、言論弾圧のための大規模な「労働矯正収容所」をつい最近まで運営していた中国共産党が「共産党とは、実はこういうものです」と自ら証明している。ソビエトと異なるのは資本主義の直接投資を大規模に受け入れて、もちつもたれつの関係を築いて、延命をはかっているところだ。だからこそ、中国の低賃金労働者を利用している日本は、そこを自覚して、中国の政体に関していうべきことは言わねばならない。(逆に侵略戦争の事実は、素直に認めねばならない。そうでなければ事実に関してアンフェアな態度をとるズルい国となる)
2008年、中国国内で30万人の被害者を生み出した粉乳メラミン中毒の被害者団体の代表の親が「社会を混乱した罪」という意味不明の冤罪で国家によって監獄に放り込まれている現状をみても同様だ。日本もこの事実にはなんら注目も払わない。
中国はそれらの批判をかわすため、批判的な勢力や国・メディアには経済交流という形で近寄ってきた。この構図、中国共産党から国名をとると、日本の森永ヒ素ミルク中毒事件の経過とよく符号する。中国共産党を友党にして喜んでいる他の共産党も同じ穴のムジナだ。

【香港市民の言いたい事】
香港の学生はいいセンスをしている。10日の朝日新聞記事によると、民主派学生は、対話拒否をものともせず、「我々の活動は政府に圧力をかけるためだ」と明確なメッセージを市民へ伝え、占拠への参加をよびかけている。中国共産党政府とは命がけで対決しているが、だからと言って、権力志向ではないし、権力の短絡否定でもない。市民の開かれた自由意志がしっかり伝わってくる。これは日本の市民こそが見習うべき市民的資質の一端だろう。香港市民の問題提起は中国社会に確かな波紋を投げかけ続ける。
かつて1968年「3月22日運動」が生み出した「フランス5月革命」と重なる。共産党以外のあらゆる党派が個人資格で参加する形で自然発生し、権力を望まず、権力へのアンチテーゼを提起し続けた、あの学生たちの運動にもタブって見える。

中国共産党は、もはや、経済学上での国家資本主義となんら変わらないのだから、いい加減、マインドコントロールを自ら解除し、党名を変え、同時に批判の自由を完全に認める政体(民主集中制の放棄)へ早急に移行する決意を固めなければならない。共産党一党支配をやめても国が崩壊するといった心配はしなくてもいい。ロシアをみれば明白ではないか。