市 民

森永ヒ素ミルク中毒事件は、昭和30年(1955年)に日本で発生した、森永乳業の粉ミルクによる乳幼児の大量死亡・被害事件です。 森永は、猛毒のヒ素が混入した産業廃棄物由来の第二燐酸ソーダを、製品が新鮮であるように偽装する目的で赤ちゃん用粉ミルクに添加したため、1万2千名以上の膨大な被害者を生み出し、1年以内に131人の赤ん坊が死亡するという世界最大の食品公害となりました。未だに多くの被害者が理不尽な扱いに苦しみ続けています。

2016年09月

1.
】-その2
同社の製品事故リストが浮上した。年に4度という年も複数。すべて公知情報だがこれまでデータが統合されていなかった。あまりに件数多いため過不足あれば遠慮なく追加情報をお寄せください。


過去16年に発生した森永の製品事故 

(2001~2016  下記は回収措置-リコール-等を公に告知した事例に限られる)    

時期

区分

製品名

事故内容

2001年7月

 

森永製菓

「ポテロング」
「ポテロング スモークチーズ味」

スナック菓子「ポテロング」に、日本では未承認の遺伝子組み換えポテト原料が自主検査の結果4月ロット分に検出

2002年6月

森永製菓

製造管理者:森永サービス(株)

商品名  :プーキャンピングカー(カスタードビスケット、プチブレッド)

特徴   :グリーンのキャンピングカー型の缶

製造者  :森永製菓(株) 中京工場

販売価格 :1,500円

商品コード:4936313707243

 

製造管理者:森永サービス(株)

商品名  :プーバッグ(はちみつクッキー、プチブレッド)

特徴   :黄色のプーの顔型手提げバッグ

製造者  :森永製菓(株) 中京工場

販売価格 :1,200円

商品コード:4936313707212

ディズニーストア商品

製造委託先・森永製菓、食品衛生法上使用が認められていない物質を含んだ香料(協和香料化学株式会社製)を一部商品に使用。

 

「ミントロック」(氷菓)

2001年7~8月に販売し、すでに終売している「ミントロック」(氷菓)に協和香料化学(株)のイソプロパノールを含む香料を使用していたことが判明。

「米国やEUでは使用が認められている」と言い訳

2003年7月

 

森永製菓

 

キャンディポップ (ミッキー)

 

東京ディズニーランドで7月8日から7月16日までに販売した商品(製造管理者 森永製菓株式会社)の賞味期限表示が、梱包過程における捺印ミスにより04.06.29と表示すべきところ、03.06.29と誤った表示

2003年10月

森永乳業

森永乳業株式会社三島工場で製造した商品であり、「製造者 森永乳業株式会社 IK」と表示されているアイスクリーム類全商品

株式会社ナポリアイスクリーム三島工場で製造した「500円 ナポリチョコナッツ」「150円 ナポリビスコット」

規格外品の恐れ

店頭から回収

2004年1月

森永製菓

 

「フィンガーチョコレート〈ビター〉箱 74g」

「e-price フィンガーチョコレート袋 264g 」

微量の「ピーナッツ」混入の可能性が判明し、その旨の注意表示もれ。ピーナッツアレルギー保持者に問題発生の危険性。

2005年4月

森永乳業

「森永 Caラクトフェリンスキムミルク」

賞味期限の西暦表示表記ミス

06と表記すべきところを16と長めに表記

2005年12月

森永エンゼルデザート株式会社

「対象商品 クリスマスケーキ『マロン・ド・ノエル』平成17年12月23日販売分 製造元 森永エンゼルデザート株式会社 デザート事業部」

クリスマスケーキ『マロン・ド・ノエル』の一部から製造過程の不具合により微量の黄色ブドウ球菌が検出され、当該商品の販売を即刻中止したが79個がすでに販売。

2005年12月

森永エンジニアリング

電気温水器
温水暖房用電気ボイラー「エルパンナ」

消費者庁リコール情報

不良部品の混入が原因で電磁接触器の焼損・発煙不具合が1件発生

2006年7月

森永製菓

森永アイス「アイス カフェ・オ・レ(一箱8本入り」 製造ロット「4627」の商品

一部商品に製造工程上のシリコンチューブの一部が欠損し、混入している恐れがあることが判明 製造者 豊和食品株式会社

2007年4月

 

森永製菓

 

「チュッパチャプス」

<デザートミックス>(青色タグ) プリン/キャラメル/ミルク/ストロベリークリーム/チョコバナナ/チョコストロベリー 全6種類のうち 賞味期限表示が 2008.01 2008.02 2008.03 の商品

製造工程上の部材の樹脂片が混入していることが判明

2008年7月

森永製菓

「e-priceホットケーキミックス(150g×4袋入り)」

商品の一部から「虫」が発見

2008年9月

森永乳業/東洋乳業

「乳酸菌飲料」

森永コーラスウォーター 1000ml

森永コーラスウォーターアップル 1000ml

香料の誤使用

2008年11月

森永製菓

「ハイチュウ」

12粒ハイチュウ<グレープ>

12粒ハイチュウ<グリーンアップル>

製造工程上で使用されている手袋のゴム片(主要素材:ニトリル合成ゴム、厚さ0.3mm、平均約1センチ四方)が混入。対象製品91万個のうち多くが消費されているとみられ回収可能な商品は27万個程度
8月27日から11月13日頃(報道)までに、消費者から同社に28件の苦情。

同社は、9月の段階で手袋のゴム混入が原因と分かっていたが混入した商品数が少なかったため公表を控えていた。 10月末になっても混入が続いたため公表した。

2008年12月

森永製菓

「森永ホットケーキミックス600g」

「森永ホットケーキミックス600g」の製造工程上で膨張剤を混合する際にバラツキが発生し、一部の商品において調理した際に酸味を生じることが判明。

2009年6月

森永乳業

「低脂肪牛乳」

北陸限定発売 低脂肪牛乳

異種製品の容器を使用。(製造所所在地及び製造者の誤記)

2010年10月

森永乳業

「クラフトパルメザンチーズ80g」

米国クラフトフーヅ社で製造、エムケーチーズ株式会社が輸入、森永乳業株式会社で販売のチーズ商品において、通常と違う風味がするとの顧客通報。調査の結果、特定ロットの一部に風味異常が認められる

2011年6月

森永乳業

「MOWミニカップ」

乳脂肪分及び乳固形分が規格値より低い

2011年6月

森永製菓

「チュッパチャプス」

金属のような硬質の異物が混入
異物は長さ1ミリ程度のものでキャンディーから突き出ていた

2012年1月

森永製菓

「板チョコアイス」

アイスの製造装置のステンレス片混入の恐れ

在庫段階で回収しきれず既に販売されたとみられる約200個を回収。機械部品の取り付け不備が原因で1ミリメートル四方程度の金属片が生じ、製造中のアイスに混入した。

2012年6月

森永乳業

「牛乳など」

(1)製造者もしくは販売者:森永乳業株式会社

森永 まきばの空(1000ml)北海道、関東甲信越

森永 生乳だけでつくった北海道限定低脂肪牛乳(1000ml)  北海道

生乳だけで作りました低脂肪牛乳(1000ml) 北海道

リプトンミルクティー(500ml)北海道

リプトンミルクティー(1000ml)

(2)製造者:北海道保証牛乳株式会社

小樽工場発こだわり低脂肪牛乳(1000ml)北海道、東北、関東甲信越

北海道 牧場のさわやか(1000ml)              北海道、東北、関東甲信越

 

賞味期限内に風味劣化

 

製造設備の不具合により賞味期限内に風味劣化が生じる可能性

(※)「風味劣化」とは何か? 風味は品質の一部であり、品質の劣化は、細菌の繁殖による腐敗が疑われる。
機械設備の不具合によって、なぜ品質が劣化するのか?肝心の
風味劣化の原因に関して、森永の公式説明はない。


 

 

2012年8月

森永乳業

森永牛乳プリン 160g

 

 

消費者庁 事故情報

プリンの容器に口をつけたところ、容器の縁で唇を切った。 

 

製品自体の不良
詳細: 事故品容器の縁部分内側に、形状的な異常(突起)が認められた。容器(ポリプロピレン製)にふたを熱圧着する際、圧着位置がずれたことにより、容器内側の縁部分が熱変形して突起状となり、検査で見いだされなかったため、不良品が市場に流通して事故に至ったものと推定される。

詳細: 製造事業者は、他に同種事故発生の情報がないことから、既販品に対する措置はとらなかった。 なお、今後の製品については、従前の目視検査に加え、抜取検査にてふたを開封して確認することとし2012(平成24)年11月生産分より、カップの縁等で手や口を切らないよう注意する旨を表示に記載した。また、NITEは、引き続き同様の事故発生状況に注視し、必要に応じて対応することとした。

2012年10月

森永製菓

「森永ミルクココアプチ(80g)」

賞味期限欄に、本来刻印されるべき賞味期限が印字されていないものや、二重に印字されたり印字に欠けが生じ、読み取りできないものが販売されていることが判明。

2014年6月

森永乳業

「森永牛乳」瓶入り180 mL

一部の製品にて異常(カルキ臭)が確認

2016年7月

森永乳業

(1)「サンキストDeli+ 濃熟バレンシアオレンジ 330ml」JANコード 4902720123440
(2)「サンキストDeli+ 濃潤カシス 330ml」 JANコード 4902720123426
※いずれも「天面にキャップ」の付いた商品

消費者庁リコール情報サイト

【注意喚起】

栄養成分表示内、炭水化物表示について、正しくは「g」にて記載すべきところを誤って「mg」と表示

2016年9月

森永製菓

「マクロビ派ブラウニー」

カビが発生 最大10万個を回収

全国のコンビニエンスストア、駅売店他

製品リコール情報   https://kuroneko-recall.jp/ 消費者情報『お知らせ』 http://on.no-ip.biz/att/index.html消費者庁製品事故情報 http://www.jikojoho.go.jp/ai_national/search/detailsearch.do消費者庁リコール情報サイト ウオール・ストリート・ジャーナル紙 産経新聞等複数のデータベースを参照統合









【事件解説ポスター】
http://ww3.tiki.ne.jp/~jcn-o/morinaga-hiso-poster-00.pdf

【森永ヒ素ミルク中毒事件資料館 HP】
http://ww3.tiki.ne.jp/~jcn-o/hiso.htm

【一例】
とまらない 森永製品の事故03
出典:消費者庁 リコール情報 2016年7月 
とまらない 森永製品の事故02
出典:消費者庁 製品事故情報 2012年8月 
ただし消費者庁のデータベースには過去のデータ蓄積がほとんど見られない 


2.
2016年11月7日、電通に強制捜査のメスが入った。だが、あの会社が以下のような犯罪を反省する日はいつくるのだろうか?
森永ヒ素ミルク中毒事件の犠牲者を圧殺するプロパガンダをやったのは主に森永乳業と御用医学界、国、「書かないメディア」の4者だが、それに加え森永製菓出身の電通常務(当時)もプロパガンダに手を染めたことを自ら「証言」している。彼らは森永乳業の50年史なる「社史」の中の対談で、「シェアを奪回した地域で、たまたま、ああいう事件が発生しちゃったんですよね」と自らが引き起こした大量殺人を、オモシロ半分に「おどけて」見せ、事件の救済を要求した親たちの必死の願いを弾圧したことを自慢げに書き残し、永久に抹殺したつもりになって、その犯罪を誇らしげに語っている。
http://ww3.tiki.ne.jp/~jcn-o/morinaga-hiso-dentsu-sennou-dairiten.htm




 昨夜19時、「森永製菓 最大10万個の焼き菓子自主回収」とのニュースが全国に流れた。
 不祥事続きの森永グループの実態をこの半月ほど見せ付けられてきたが、この企業体質には、うんざりを通り越して、あきれてしまう。国民とメディアはこの企業グループの動向への監視を格段に強める必要があるだろう。
 森永製菓の統制下にある森永乳業が、1955年に引き起こした森永ヒ素ミルク中毒事件を反省していないのは、今世紀に入っても幹部クラスが事件史を歪曲する発言を公刊雑誌やテレビで公言していることから明白だ。毎年拠出している金は仕方なく出しているだけ、というホンネも丸見えだ。だから同じこと、類似のことを何度でも起こす。一度やったら二度とはしないだろうというのは根拠のない期待値に過ぎない。
 実際、足元の企業運営くらい緊張感をもってやっているかと思いきや、森永乳業の福島・神戸工場で連続する死亡労災事故。これに関して当ブログのコメント欄に寄せられた森永乳業周辺と見られる人物からの告発実態(裏が取れた公知情報に限って記事化)をみても、もはや「病的」である。http://morinaga-hiso.blog.jp/archives/1060461678.html#comments
 この製品事故に関する森永製菓のコメントは、「時間が経過するとカビは生えやすい状態になる」(からカビが生えた)というものだ。??? 公共放送に対して、一部上場企業が、小学生でも首をかしげるような同義反復・無内容・意味不明なコメントである。
NHK 森永製菓 10万個製品回収
品質管理のずさんな実態
 現時点(9月16日11:00現在)でも、この製品事故に関する要因説明を森永製菓はホームページで一切していない。
 通常、食品製造業は、加工実製品を様々な環境で空気中に曝露する試験をしたのち、消費期限を設定している。つまり、消費期限を記載する前に、実際にさらしてみて腐敗の進行を観測する。
 森永製菓の今回の製品事故について、製菓が報道に行った説明をそのまま見ると「時間がたつとカビは生えやすい状態になる」である。
 ということは、要するに「カビが生えやすい状態がいつ頃になるのか」を把握していなかったことになる。基礎的な曝露試験と品質管理をしていれば腐敗の開始時期はあらかじめ予測可能だ。
 カビなどの微生物の繁殖は、温度、水分(製品中に使用されている材料の水分活性値などがその指標)や、空気、養分を条件とする。製造工程中のそれらの条件や、工場内の清潔度(カビ胞子の含有率)などで左右される。「焼き菓子」だからといって安全ではない。一端焼いても、カビは再び増殖する。
 自主回収しているということは、すでに店頭に並んだ段階でカビが発生していた可能性があるということだ。ようするに、非常に短期間のうちにカビが発生してしまったということではないか。ではどうしてそんなことにったのか? だが、その程度のことに関してさえ、森永製菓は、現時点で何も情報を公開しない。森永製菓の品質管理のずさんさは明らかだが、誠実さの欠落も明らかだ。

加熱しても残るカビ毒の恐怖
 「たかがカビ」だと侮るなかれ。
 見えるほどのカビは未然に食わずにすむ。
 だが、問題は、「見えない程度のカビ」を知らずに体内に取り入れ続けることで、カビ毒が人体に深刻なダメージを与える場合があることだ。
 カビ毒の急性症状は胃腸炎などの食中毒もある。
 他方、もっとも怖いのは、微量のカビを長期間食べ続けることによる、カビ毒による慢性中毒だ。それは、肝臓、腎臓、肺、神経系、内分泌系に対して、発がん性や催奇性などの深刻なダメージを与える。このカビ毒は加熱しても除去できない。もちろんすべてのカビがこの作用をもたらすわけではないが、目に見えないカビは発見されないし、ましてや報道などされることはない。従って、いくつかの非常に危険な毒性をもつカビ毒について、わが国では厳しく基準値を設定している。加工食品中のカビ汚染を決して過少評価してはいけないのだ。食品製造業がいい加減な品質管理の結果、目でみてもわからない程度の微量のカビを、消費者の体内に送り込み続けると、発ガンを引き起こす。ガンを発症した消費者が原因を特定することは非常に困難だ。
 だが、目に見えない微量のカビを防止するような誠実な企業がどれほど存在するのだろうか? だから余計に、いい加減な体質の会社は、許されてはならない。
 食品というのは、時に体内に証拠を残さず、じわじわと「完全犯罪」を実行してしまう。問題は製造側にそのことへの自覚があるかどうかだ。ゆっくりと顕在化せず進行し、証拠が特定できなければ、「儲け得」=「死に損」 ということになる。
 森永ヒ素ミルク中毒事件の発生は1955年8月だが、すでに6月頃から中毒が散発的に発生していた。その初期に森永乳業は、被害を告発する良心的医師を無視し続けて、まもなく取り返しのつかない大事件を引き起こした。森永乳業の姿勢と発想は「大きくバレなければいつまでも隠し通して儲け続けろ」という、もっともあくどい食品製造業者の姿勢を体現したものだった。
 今回、世間にありがちなカビ毒への認識不足に乗じてかどうか、「カビははえやすいからはえた」などと意味不明の説明で公然とお茶を濁す森永製菓は、やはり、そうとうタチが悪い。自らの子会社が起こした森永ヒ素ミルク中毒事件に関しても、なんら教訓や痛みを感じていないとしかいいようがない。

 森永乳業の談合入札送検事件や巨額横領事件など、この十数年にわたり間断なく続く不祥事、今年に入っての死亡労災事故の連続をみても、このグループ会社は、説明しない・反省しない ことに関して特筆すべき企業のようだ。

その2-とまらない…森永の製品事故 過去16年に発生の森永の製品事故  へ続く

以下、ツイッター掲載記事をとりあえず転記する。
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森永製菓 最大10万個の焼き菓子自主回収 | NHKニュース  
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160915/k10010687821000.html
森永乳業の2工場で死亡事故が連続、腐敗告発開始の途端、 http://morinaga-hiso.blog.jp/archives/1060461678.html 今度は親会社・森永製菓の製品事故。
ヒトごと感全開の開きなおりじみたコメントである。
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森永ヒ素ミルク中毒事件の犠牲者を圧殺するプロパガンダをやったのは森永乳業に加え森永製菓出身の電通常務(当時)。
彼らは森永乳業の50年史なる「社史」の中の対談で、「シェアを奪回した地域で、たまたま、ああいう事件が発生しちゃったんですよね」と自らが引き起こした大量殺人を、オモシロ半分に「おどけて」見せている。
http://ww3.tiki.ne.jp/~jcn-o/morinaga-hiso-dentsu-sennou-dairiten.htm

『森永50年史』悪魔の対談(※)この「赤ちゃんコンクール」は、母乳で育てた赤ん坊と、粉ミルクで育てた赤ん坊を比べて、右肩上がりに体重が増えない母乳育児をしている母親の心配を逆手に取り、むりやり粉ミルクにかえさせて、乳業漬けにしていく悪質なキャンペーン。
 森永が岡山県で始め(それゆえ森永ヒ素ミルク中毒事件の被害者が最多)、その後、大手メディアによって全国に展開された。事件が全国規模で拡大した背景にはこのような「母乳育児駆逐」キャンペーンがある。官学あげて乳業の私的利益を支える公然たる癒着の体質だ。事件が圧殺された背景にもこのキャンペーンを通じて全国の大学・行政・メディアに、研究費や広告出稿で金をばら撒き構築した「口封じの構造」がある。問題はこういうことに手を下した人間が誰も責任をとっていないばかりか、このキャンペーンを反省もなく「戦後のほほえましい歴史」として最近再び紹介して憚らない風潮である。
 この問題は、国連大学出版『技術と産業公害』(宇井純編纂、著者: 東海林 吉郎/菅井 益郎)に詳しい。冒頭「Ⅰ消費構造に組みこまれた授乳」で、森永の実行した「母乳育児駆逐」の犯罪性を明確に指摘している。
http://d-arch.ide.go.jp/je_archive/society/book_unu_jpe5_d04.html
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 森永製菓と乳業はもともと同じ会社。戦後、経営が不振な製菓を補完するため乳業が分離した。他社シェア奪回作戦と市場拡大を優先し、腐った原乳に猛毒の砒素が混入した産業廃棄物由来の「第二燐酸ソーダ」を投入し、消費者(母親)を偽装。事件直後から反省度ゼロで救済運動の圧殺に狂奔。そのために作った「第三者委員会」方式の皮をかぶった御用組織がその後の公害犯罪隠蔽、企業犯罪隠蔽のマニュアルと化し、現在も悪用され続けている。
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【森永ミルク事件の今も続く不正】
http://morinaga-hiso.blog.jp/archives/1058436809.html
【事件解説ポスター】
http://ww3.tiki.ne.jp/~jcn-o/morinaga-hiso-poster-00.pdf
【森永ヒ素ミルク中毒事件 HP】
http://ww3.tiki.ne.jp/~jcn-o/hiso.htm

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